部門紹介
次世代疾患モデル・基盤技術研究部門

研究概要

 疾患のメカニズムの研究や、医薬品の開発において、その疾患の病態を反映した疾患モデル動物の存在は、研究の成否の鍵を握っています。ヒト疾患の遺伝的要因に関しては、近年の急速なゲノム解析技術の発達により、数多くの疾患関連遺伝子が同定されました。その一方で、こうした候補遺伝子の遺伝子改変動物を作製しても、表現型を呈さないことがほとんどであり、単一遺伝子の異常では、多因子が関与する病態を説明できるとは限らず、創薬にも限界があると考えられます。こうした問題の解決のためには、多遺伝子改変疾患モデル動物を迅速、かつ体系的に活用する体制を整える必要性があります。
 私達がオリジナルに改良したゲノム編集技術を用いれば、同時に複数の異なる遺伝子(2桁以上)の改変や、同一遺伝子の複数箇所の加工を同時並行的かつ体系的に実施でき、従来では不可能な高度な遺伝子加工、修復、再改造なども可能です。本研究部門では、新規ゲノム編集技術による次世代疾患モデルの確立と、生活習慣病や難病に対する新たな診断、治療法開発を目的とします。
 一方、私達は、電気分析化学の基礎及び応用に関わる研究にも携わっており、活性酸素(ROS)分析のための機能性電極やバイオセンサーを数多く開発してきました。
 活性酸素種(ROS)は様々の病気の引き金になる原因の一つとして近年クローズアップされ、医学分野で広く研究が行われてきました。ところが、このような重要性にもかかわらず、未だに確固たる定量法はなく、特に生体や細胞近傍に生成するROS分析には適用することが困難でした。
 そこで、生体や細胞近傍に生成するROSを計測することを目的として、新しい電気化学センサーの開発を行い、上述の、ゲノム編集技術とともに応用することによって、診断・治療法開発の基盤形成に貢献したいと考えています。

研究プロジェクト

次世代疾患モデルマウス・次世代ヒト型化マウスの開発
次世代疾患モデルマウス
多数の遺伝子の異常が関与する、心臓病や癌などの生活習慣病モデルの作製と応用。
次世代ヒト型化マウス
リガンド・レセプター・シグナル分子などの同時複数改変により、1つのシステム全体をヒト型化してしまうヒト型化マウスの作製と応用

次世代疾患モデルマウス、次世代ヒト型化マウス作製のための非遺伝型母性Cas9を用いた多遺伝子編集システム(特許出願中)

新規高感度活性酸素種検出デバイスの開発
電気化学センサーの開発とそれを用いる新規抗酸化分析技術開発

高感度電気化学センサー技術による活性酸素種検出

新しい診断・治療法の開発
新薬のアッセイ系の確立や医薬品の開発

生理活性因子の情報制御システム=RAMPシステムを標的とした創薬への展開
(戦略的創造研究推進事業CRESTにて実施中)

新藤隆行

(部門長)

学術研究院 教授 (医学系)/博士(医学)

研究分野

循環病態学、発生工学

研究テーマ

動脈硬化、高血圧、心不全、その他の臓器不全などの疾患を対象に、疾患関連遺伝子の研究を行っている。中でも特定の遺伝子に人為的に変異を導入した、オリジナルの遺伝子改変マウスを樹立し、これらを用いた疾患、治療研究を中心に行っている。

遺伝子改変マウスの樹立、そして、それらの応用のために、ゲノム編集技術、胚操作技術や動物実験にとどまらず、遺伝子工学、生化学、生理学、病理学的な技術など、現在の医学研究における様々な手法を集約的に導入している。

ホームページ http://www7a.biglobe.ne.jp/~shindo/

金継業

(副部門長)

学術研究院 教授(理学系)/博士(工学)

研究分野

分析化学、電気分析化学、超音波化学

研究テーマ

病気と酸化ストレスの関係を解明するには、生体内における活性酸素種(ROS)の発生機構、抗酸化能の評価及び生理的役割を定量的に評価することを目的として、新しい電気化学センサーの開発を行っている。

村田敏規

学術研究院 教授(医学系)/眼科学 博士(医学)

研究分野

眼球内血管新生による疾病とその治療

研究テーマ

大学院生だった頃、vascular endothelial growth factor (VEGF)は糖尿病網膜症の原因物質というテーマで学位を取得してから、抗VEGF抗体が薬として使用されるまで、トランスレーショナルリサーチに係わることを目標としています。

桜井敬之

学術研究院 准教授(医学系)/博士(理学)

研究分野

ゲノム編集、発生工学、発生生物学

研究テーマ

発生工学に魅せられて日々、研究を楽しんでおります。センターでは、ゲノム編集による新たな遺伝子改変法、発現調節法および胚操作法の開発に挑戦します。それを応用した新規疾患モデルマウスを樹立します。

病態解明、創薬応用、再生医療の技術基盤となるような研究成果を得られるよう奮闘したい。

ホームページ http://www.shinshu-u.ac.jp/graduate/medicine/doctoral/m-science/saisei.html
http://www7a.biglobe.ne.jp/~shindo/

鳥山佑一

学術研究院 助教(医学系)/眼科学教室 博士(医学)/日本眼科学会専門医

研究分野

眼循環病態学、糖尿病網膜症、網膜硝子体疾患

研究テーマ

・糖尿病網膜症および糖尿病黄斑浮腫への薬物治療と光凝固治療

・眼疾患における最終糖化産物と酸化ストレスの解析

・眼内におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチドの病態生理的作用

ホームページ http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-ganka/

神吉昭子

学術研究院 助教(医学系)/博士(医学)

研究分野

代謝学、内分泌学

研究テーマ

・生理活性ペプチドによる脂肪細胞のエネルギー代謝制御機構

・生理活性ペプチドの免疫反応制御と肝保護作用メカニズム

ホームページ http://www7a.biglobe.ne.jp/~shindo/

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