部門紹介
病態解明・医療応用研究部門

研究概要

 臨床の現場感覚を生かして、疾患の病態生理研究から将来の診断・治療のシーズを探索・発掘し、プロブレム・オリエンティッドな研究により、技術開発へとつなげます。また、本来の問題から派生して、予期せぬ重要な応用が生まれる可能性に気づくため、分野を超えた共創の中心として働きます。
 例えば、循環器疾患は、我が国において死亡原因の第2位を占め、また社会の高齢化に伴いその患者数も急速に増加しています。こうした循環器疾患の多くは慢性疾患として進行性の心血管機能障害が持続し、しばしば急性増悪を起こし入他院を繰り返しながら、最終的に死亡に至るケースが多く、患者さん自身、また患者家族にも長期の負担を強いるのみならず、医療経済的にも社会的費用の増大につながります。こうしたことから、現在の急速に進行する高齢化社会に対応した、循環器疾患の新しい予防法、治療法の開発が強く望まれています。これら循環器疾患の制圧のためには、その発症や進展の分子機序の解明が必須です。
 私達はこれまで、これら循環器系構成臓器・細胞の病的状態における機能変化・不全の基盤を形成する遺伝子発現変化に関与する遺伝子転写・エピゲノム調節経路の研究を行い、複数の遺伝子改変マウスなどの動物モデルを用いながら、循環器システムの機能維持と破綻の分子機序の解明、ひいては循環器疾患に対する新規治療標的の同定を目指した研究を行ってきました。その結果、複数の循環器疾患発症・進展にかかわりうる病的遺伝子転写調節経路の存在を明らかにし、またそうした研究の中から、複数の新たな心血管病治療標的を提案してきました。
 こうした今までの研究活動で得られた知見をさらに発展、応用し、本研究部門では、癌、炎症性疾患、生活習慣病などの疾患を中心に、疾患モデルの作成とその精緻な解析に基づく病態解明を行い、さらにそうした研究成果を基にした診断法や治療法などの開発、医療への応用を目指します。

研究プロジェクト

心不全モデル動物を用いた心不全発症分子メカニズム解明
甲状腺ホルモン活性制御関連分子遺伝子改変マウスを用いた糖・
脂質代謝制御メカニズムの解明
私達は、細胞内に存在する甲状腺ホルモン活性制御関連分子が内臓脂肪蓄積、糖代謝制御に重要な役割りを果たすことを見出しています。甲状腺ホルモン活性制御関連分子遺伝子改変マウスの作成と解析を通じて、甲状腺ホルモン活性制御関連分子の糖・脂質代謝制御メカニズムの解明、およびその成果を基にした新規抗肥満薬の開発を目指します。
慢性肝疾患の免疫遺伝学的網羅的解析
網羅的な遺伝子、miRNA解析から、慢性肝疾患の発症、治療反応性、病態進展に関わる因子を明らかにし、新たな治療薬候補を探索する。
子宮体癌に対する新規抗腫瘍薬の開発
子宮体癌は代表的な婦人科癌ですが近年患者が著増し新たな治療法の開発がもとめられています。私達の教室では細胞周期調節因子であるサイクリンAが体癌の予後不良因子であったことから、サイクリンA抑制剤の開発を行っています。約1万種の低分子化合物ライブラリーからスクリーニングしてリード化合物を同定し、現在この改良をしています。

塩沢丹里

学術研究院 教授(医学系)/産科婦人科学教室/博士(医学)

研究分野

婦人科腫瘍学、病理学、周産期医学

研究テーマ

・婦人科領域癌の分子生物学的解析

・分子標的薬創薬

・胎盤の老化機序

桑原宏一郎

(部門長)

学術研究院 教授(医学系)/内科学第五 循環器内科学/博士(医学)

研究分野

循環器内科学

研究テーマ

・心不全の発症・進展機序の解明と創薬

・心筋遺伝子発現制御機構の解明

・心血管ホルモン制御と作用機序の解明

ホームページ http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/department/doctor/zouki/i-oreg/cardiovascular/

梅村武司

学術研究院 准教授(医学系)/内科学第二/消化器内科/博士(医学)

研究分野

肝臓病学、免疫遺伝学

研究テーマ

慢性肝疾患の発症、治療反応、病態進展に関与する要因を免疫遺伝学的な見地から検討し解明する。

ホームページ http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-2nai/

西尾真一

学術研究院 講師(医学系)/内科学第四/糖尿病・内分泌代謝内科/博士(医学)

研究分野

内分泌代謝学

研究テーマ

核内受容体(甲状腺ホルモン受容体やエストロゲン受容体、REV-ERBα等)の生理作用(主に糖代謝、脂質代謝)の解析

ホームページ http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/department/doctor/grdkarei/i-karei/

宮本強

学術研究院 講師(医学系)/産科婦人科学教室/博士(医学)

研究分野

婦人科腫瘍学、分子生物学

研究テーマ

・婦人科領域癌の分子生物学的解析

大久保洋輔

学術研究院 助教(医学系)/内科学第四/糖尿病内分泌代謝内科/博士(医学)

研究分野

代謝内分泌学、インスリン分泌

研究テーマ

甲状腺を含めたホルモンが、どのようにインスリン分泌を含めた糖代謝へ影響しているかを確認し、糖尿病および肥満などとのかかわりについて解明する。

城下智

学術研究院 助教(医学系(附属病院))/内科学第二/博士(医学)

研究分野

内科学、消化器病学、肝臓病学、自己免疫性疾患

研究テーマ

内科学の中では、症候学と診断学に興味を持っています。消化器病学、特に、肝臓病学について、自己免疫性疾患を中心に、病因病態論について免疫遺伝学的な側面から、研究を行っています。今後は、分子生物学的な手法を用いた研究も進めていきたいと思います。

元木博彦

学術研究院 准教授(医学系)/内科学第五 循環器内科学/博士(医学)

研究分野

心不全、成人先天性心疾患

研究テーマ

高齢者心不全、先天性心疾患患者における心臓バイオマーカーの役割に関する研究

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